難聴は加齢とともに進行します。しかし高齢者本人にあまり自覚がなかったり、歳のせいとあきらめて、そのまま放置されているケースが殆どです。いわゆる「ヒアリングフレイル」という状態で、本人は日常生活にあまり不自由を感じていないものの、家族に「テレビの音がうるさい」と指摘されて受診する方はとても多いです。

「フレイル」とは、病気ではないけれど、年齢とともに、筋力や心身の活力が低下し、介護が必要になりやすい、健康と要介護の間の虚弱な状態のことです。聞こえに関しても最近、健常者と補聴器を必要とする高度な難聴の中間の状態を「ヒアリングフレイル」と呼ぶようになってきました。

フレイルはよく、坂道に例えられます。日常生活にはそれほど困らず、基本元気な高齢者でも5年前、10年前と比べると感じる衰えのサインは必ずあります。坂を下り始めても、日頃の心掛け次第で下るのを引き留めることも可能です。

ヒアリングフレイルについて言えば、聴力の低下を根本的に戻すことは難しいですが、補聴器をはじめとした聴覚補助器を利用することで補うことが出来ます。

町田市医師会でもこの「ヒアリングフレイル」への対策に力を入れています。3月には2回のイベントを企画しました。

3月3日(耳の日) 難聴無料相談会

3月17日 ライフサポートセミナー

チラシ耳の日

チラシライフサポートセミナー

当日は主催者として私も出席します。

日頃難聴でお悩みの方、またはご家族の方は是非ご参加ください。

稲垣耳鼻咽喉科医院