東京を中心に再び感染拡大している新型コロナウイルス。

次々と新しい情報が溢れる中、我々医療者も日々正しい情報を整理しなければなりません。

去る7月16日、国立国際医療研究センターの忽那賢志先生を講師に迎え、町田市医師会主催の学術講演会が開催されました。

忽那先生は現場の最前線でご活躍中で、報道番組等でも情報発信をされている高名な先生です。

私も学術担当理事として講演会の企画運営に携わりました。今回は医師会初のWEB講演会として開催しました。ITに特別強くはありませんが、「ウェビナー」というツールを使って無事に開催することが出来ました。

やはり「新型コロナウイルスの最新知見」には医師会の先生方も関心が高く、当日は多くの先生に視聴していただきました。

私自身も興味深く拝聴し、情報を整理することが出来ました。備忘録を兼ねていくつかご紹介します。

①高齢者程高い死亡率(死亡者概数 60歳未満50人、60代100人、70代250人、80際以上550人)

②鼻咽頭PCR検査の陽性率=63%(咽頭、唾液は更に陽性率低下)→ 偽陰性が1/3あり、陰性でも除外はできない。

③現時点で治療効果が示された薬剤はレムデシビル(症状期間の短縮)とデキサメタゾン(死亡率低下)。特効薬や軽症例に効果がある薬剤はない。

④感染性のピークは発症の数日前。感染者の45%は発症前の感染者から。40%は症状のある感染者から。発症8日目以降は感染性低下。

⑤潜伏期は平均5.2日

私が特に注目したのは、④発症前に感染性のピークがある点です。インフルエンザは感染直後に感染性のピークがあるため、発症後の隔離でも感染をある程度抑えることが可能です。

しかし潜伏期間中にうつしてしまう可能性があるとすると、症状がなくてもうつさないように注意する必要があります。

現在も皆さんが実践しているように「3密」を避け、ソーシャルディスタンスが保てない場所ではマスクを着用するなど、当面の間は社会全体が「with コロナ」を意識した新しい生活様式に協力していくしかないようです。

当院でも院内感染防止に努めていますが、「密集」を避けるため、受診の際は事前予約・分散受診にご協力をお願い致します。

稲垣耳鼻咽喉科医院