帯状疱疹ワクチンのすゝめ
皆さんは「帯状疱疹」という病気をご存知でしょうか。
幼少期に殆どの方が感染(ワクチンで発症していないケースもあり)し、ほぼ全ての大人が細胞性免疫を持っている「水疱瘡」のウイルスが体内に潜伏していて、加齢や病気等で免疫力が低下した時に発疹や痛みなどの症状が出る病気です。誰もが罹患する可能性があり、50代以降に発症することが多く、実際に80代までに3人に1人が罹患しています。この病気の怖いところは発症時の苦痛は勿論、特に高齢になるに従って後遺症として強い痛みが残ることが多くなる点です。私の父も晩年、後遺症の神経痛に悩まされていました。
そんな帯状疱疹もワクチン接種で予防することが可能です。従来の「生ワクチン」は予防効果が限定的(50代で60%、80代で20%程度)で、数年で効果が弱くなる難点がありました。しかし数年前に認可された「不活化ワクチン」は効果が強く(全年代で90%以上)、長く(10年以上)続きます。
優れたワクチンであることは間違いないのですが、問題はその価格です。1回2万円以上、2回接種が必要です。
そんな「不活化ワクチン」ですが、7月から町田市では50歳以上の市民に1回1万円の助成金が出るようになりました。従来の約半額で接種できるので、市民の皆さんにとっては朗報です。
それでも自己負担2回で2万円は「高い」かもしれませんが、将来的な神経痛などのリスクを高率に回避できますので、ワクチン接種をおすすめします。
当院では毎月第4木曜日13時から、帯状疱疹ワクチン接種(予約制)を実施します。接種ご希望の方は電話または窓口で事前にご予約ください。
稲垣耳鼻咽喉科医院