先日は7月に亡くなった父のことを書きましたが、824日に亡くなられた稲盛和夫氏の訃報を耳にし、そのお言葉に大きく影響を受けた者としてここに記録しておきたいと思います。

稲盛氏は皆様ご存知の通り、京セラ創業者で経営の神様と呼ばれた大変立派な方です。私は稲盛氏の著書を好んで読み、その生き方、考え方を模範としてきました。初めて著書を手にした時から稲盛氏の考え方が妙に腑に落ちたのは、幼少の頃に受けた玉川学園の教えに似ていたからだと思います。

稲盛氏の著書にある「知足利他」という言葉は、私の座右の銘として常に頭の中にあります。「足るを知り、他を利する」とは、決して欲張らず、人のために尽くすこと。その結果、真の幸福が得られることを教わりました。

また稲盛氏が導いた「人生成功の方程式」も日々の行動の規範としています。

 人生・仕事の結果=「考え方」×「熱意」×「能力」

この中で最も重要なのが「考え方」で、唯一プラスにもマイナスにもなります。どんなに素晴らしい才能とやる気があっても、考え方がマイナスであればマイナスが大きくなるだけです。多くの犯罪や戦争も、マイナスの考え方から生まれているように思います。

 私はマイナスの考え方をしないよう、常に「皆が幸せになること」を最上位の目的に置くよう心掛けています。皆が幸せになるためには自分も幸せに、心豊かにならなければなりません。心豊かになるためには経済的に満たされることも重要です。しかしこれは「手段」であって「目的」ではありません。ここを間違えると私利私欲に走り、他人を顧みなくなってしまいます。常に目的に沿った手段を選びながら、目的に近づくように努力すること。残念ながら「能力」を上げることは難しいですが、プラスの考え方と熱意は自分次第で変えられます。

稲盛氏の訃報に接し、家族や近親者は勿論、地域の皆様の幸せ(=健康)のために、熱意を持って日々の診療取り組みたいと改めて思いました。

稲垣耳鼻咽喉科医院