肌で感じる「医療逼迫」
またしばらく更新が滞ってしまいました。その間、医療の状況は激変しています。
前回更新時(7月下旬)にはまだ医療逼迫ではないと感じていましたが、オリンピック閉会式頃から「医療逼迫」を肌で感じるようになりました。
具体的にはコロナ陽性者、自宅療養者の急増だけではなく、本来入院するべき方が入院できない状況が身近に起きるようになりました。
当院は東京都が指定する診療・検査医療機関であり、発熱等症状のある方が連日来院します。
(通常診療の方とは接しないよう、全て別室で対応していますのでご安心ください。)
20分程で結果が出る「抗原定性検査」を行い、最近は毎日2~3人程の陽性者を保健所に報告しています。
20代~30代でワクチン未接種の方が多いのですが、40代以上の陽性者も出ています。
必ずしも濃厚接触者とは限らず、どこで感染したか不明なケースが多いです。
多くの陽性者が自宅療養となりますが、症状が悪化しても簡単に病院を受診することが出来ず、不安の日々を迎えていることと思います。
そんな不安を少しでも解消したく、陽性者の方には1週間分の咳止めや解熱鎮痛剤を診断時に処方し、更に困った時に24時間受付可能なオンライン診療システムを紹介しています。
デルタ株が蔓延してから発熱が1週間近く続く方や頭痛を訴える方が多いようですが、何とか1週間分の処方で凌いでいただいている方が殆どです。
いざという時のオンライン診療ですが、幸いこれまでの利用者は数名程度です。
中には60代で症状が悪化した方を保健所にお願いして入院対応していただいたケースや、40代で酸素飽和度が90%前半、息苦しさを訴えた方に追加処方をしたケース(この方は無事に自宅療養で治癒されました)もありましたが、オンライン診療を活用して慌てることなく対応することが出来ました。
町田市内でも同じように自宅療養者の対応で苦労されているクリニックが多いようです。
このような状況下において、町田市医師会でも自宅療養者に対する組織的ケア(訪問看護、入院待機ステーション)について協議を行ってきました。
現在はまだ試験運用中ですが、町田市の協力を得て、間もなく本格運用が開始される予定です。
「自宅療養者から死者を出さない」という目標を掲げ、医師会活動にも全力で取り組んで参ります。