先週辺りからスギ花粉の本格飛散が始まり、花粉症の方には辛い季節となりました。当院にも多くの方が来院され、外来が大変混雑してまいりました。

1日に200名以上来院される日もあり、ざっと計算すると(入れ替わりやカルテ記載の時間も含めて)お一人当たり2分の診察時間となります。じっくり対応できない申し訳なさと、待ち時間が長くなってしまうことのもどかしさで、そのバランスの取り方に悩まされる日々です。

私はいつも花粉症の患者さんに「相性の良いお薬はありますか?」とお尋ねします。花粉症は毎年のことですので、ある程度決まったお薬を使っている方が多そうですが、意外にも「わかりません」と答える方がほとんどです。そうすると効果と副作用のバランスが良いお薬をご提案するのですが、その薬がその方に合っているか否かは実際に使ってみなければわかりません。

花粉症のお薬は種類が沢山あって、薬の優劣よりも本人との相性が大切です。ある方にはA薬が著効しても、別の方にも有効とは限りません。また眠気などの副反応も人によってまちまちです。ですから初めてのお薬の場合、効果を確認するために通常2週間程度の処方にさせていただいています。(それでもご希望の方には初回から長期処方をすることもあります)皆さん出来るだけ受診回数を少なくしたいとお考えかと思いますが、最初から長期処方をしてしまうと、効果がなかった時にお薬が(お金も)無駄になってしまいます。逆に有効なお薬がわかっていれば、初回から長期処方が可能です。

是非「相性の良い薬」を覚えて(またはお薬手帳で確認して)いただいて、効率的に受診されることをお勧めいたします。

稲垣耳鼻咽喉科医院