声が出ない
・嗄声(させい)
「風邪をひいて声が出なくなった。」「だんだん声がかすれてきた」、声帯を含め、のどをよく観察すれば原因がわかります。診断には内視鏡検査(保険3割負担で1,800円)が必要です。
普段呼吸をしているとき、声帯は開いたままの状態です。声を出すときは声帯を閉じて、息を吐き出すことによって声帯を振動させて発声します。この時、声帯は毎秒100~200回、高速で振動しています。声帯に病変があると、声はかすれます。また声帯に目立った病変がなくても、上咽頭炎など別の原因で声が出にくくなることもあります。
<主な声帯疾患>
・急性声帯炎
ウイルスや細菌の感染によって声帯が炎症を起こすと、正常な声帯振動が得られないため、声がかすれる、または声が出なくなります。安静を保って治療をすれば1~2週間で元の声に戻りますが、無理をすると「声帯結節」ができて、症状が長引くことがあります。
・声帯ポリープ、声帯結節
声の音源である声帯にポリープや結節ができると、かすれ声になります。ポリープは「血豆」のようなもので、大きな声を出した後などにできます。結節は「タコ」のようなもので、声を使う仕事をされている方に多く、声帯の「使い過ぎ」によってできます。どちらも3カ月以内であれば声の安静や薬による治療で改善が見込めますが、その後は慢性化し、手術が必要になることもあります。
・ポリープ様声帯
主にタバコが原因で起こる声帯のむくみです。女性に多く、いわゆる「だみ声」になります。まず、禁煙です。それでも改善しない場合は手術になります。
・喉頭癌(声門癌)
主にタバコが原因で、「カゼをひいたと思っていたら、1ヶ月以上声が戻らない」などの訴えで受診する方が多いようです。男性に多く、早期発見で殆ど後遺症なく治すことが可能です。声がれは放置せず、早めに受診しましょう。