小児耳鼻咽喉科

お母さんのための Q&A

小さなお子さんのいらっしゃる保護者の方からよくある質問をまとめました。

Q 耳鼻科に行くか、小児科に行くか、迷うことがあります。
A
風邪の症状(発熱、鼻水、せき、たん)がある時、基本的には耳鼻科、小児科、どちらでも対応は可能です。一般的な処方薬もほぼ同じです。
特に耳鼻科をおすすめする場合
  • 「耳が痛い」
  • 「耳だれが出た」
  • 「鼻が詰まる」
  • 「鼻水が出る」
  • 「のどが痛い」
耳鼻科と小児科の一番大きな違いは、「処置」をするか、しないかです。

耳鼻科と小児科の一番大きな違いは、「処置」をするか、しないかです。 「耳あか」があるだけでも、中耳炎の正確な診断は出来ません。耳鼻科では耳あかを取って、鼓膜の状態を詳細に評価することができます。 また小さなお子さんは上手に鼻がかめなかったり、かんでも奥の方に残ってしまったり、なかなかスッキリしません。鼻かぜの場合、鼻に空気が流れる状態を作ることが回復への近道です。鼻がスッキリしないと、風邪は回復のきっかけをつかめず、長引いてしまいます。耳鼻科ではそんな鼻水、鼻づまりを鼻処置で取り除くことができます。

特に小児科をおすすめする場合
  • 「胸がゼーゼーして苦しそう」
  • 「呼吸をするとヒューヒューいう」

これらは気管支炎や肺炎、または喘息を疑う症状です。のどから下の病気を疑う場合は、小児科で聴診をしてもらいましょう。

Q 中耳炎って、どんな病気ですか?
A
中耳炎は子どもに多い病気のひとつです。よくある中耳炎に、「急性中耳炎」と「滲出性(しんしゅつせい)中耳炎」があります。

急性中耳炎​

急性中耳炎

鼻風邪の時、数日経って「耳が痛い」という場合は、急性中耳炎の可能性が高いです。 鼻と耳は「耳管」という細い管で繋がっていて、子どもは耳管が短く、水平に近い構造のため、鼻から細菌やウイルスが耳に達しやすく、すぐに中耳炎を起こしてしまいます。 中耳炎の重症度は、鼓膜の状態で判断します。 軽症では自然に治ることもありますが、中等症以上では抗菌薬や痛み止めを併用します。重症の場合には鼓膜を切開して、中に溜まった膿を出すこともあります。 夜間急に耳が痛くなった場合、応急処置としてお手持ちの解熱鎮痛剤(カロナール等)を飲ませるか、耳の後ろを冷やすことで、翌朝まで様子を見ることも可能です。

滲出性中耳炎

急性中耳炎の後や慢性的な鼻炎があると、鼓膜の内側に滲出液(鼻水)が溜まってしまうことがあります。この状態を滲出性中耳炎といいます。痛みはありませんが、鼓膜が振動しにくくなるために聞こえが悪くなり、放置していると言葉の発達や学習に影響を与えることがあります。 症状が長期化した場合、薬だけではなく、鼓膜に穴の開いたチューブを埋め込む手術(チュービング)をする場合があります。 急性中耳炎も滲出性中耳炎も、適切に治療をすれば将来的に難聴の後遺症を残すことはほとんどありません。 鼻炎が原因であることが多いため、治療は鼻症状の改善が中心になります。

Q 耳鼻科の処置って痛そうです。
A
小さなお子さんにとって、病院は何科にしても嫌なところです。特に注射や耳鼻科で行う鼻処置は痛みを伴いますので、その必要性を保護者の方にも十分ご理解いただく必要があります。
よくある「耳あか」を取る処置は、基本的に痛みはありません

よくある「耳あか」を取る処置は、基本的に痛みはありません。但し、急に動くと器具で外耳道を傷つけてしまうことがあるので、小さなお子さんの場合は保護者の協力も大切です。 耳鼻科処置の基本であり、最も大切なのが鼻汁の吸引処置(=鼻処置)です。鼻汁が溜まっていると、鼻づまりで息苦しくなるばかりでなく、鼻汁の中の細菌や様々な化学物質の影響で鼻炎が長引いたり、中耳炎の原因になったりします。 小児の鼻処置に用いる吸引管としてオリーブ型吸引管、アマツ式吸引管があります。オリーブ型吸引管は痛みを伴うことはありませんが、鼻の奥に溜まった鼻汁を吸うことが出来ません。アマツ式吸引管は先端がシリコン製の柔らかいチューブで、小さなお子さんにとっては多少の苦痛を伴いますが、鼻の奥まで確実にきれいにすることが出来ます。 当院では出来るだけ確実な鼻処置を行うため、アマツ式吸引管を採用しています。少しの時間我慢が必要ですが、保護者の方のご理解、ご協力をお願いいたします。

Q よく鼻血が出て困っています。
A
子どもは大人に比べて鼻の粘膜が弱く、よく鼻血を出します。
ほとんどが鼻の入り口付近(キーゼルバッハ部位)からの出血で、止め方さえ知っていれば慌てる必要はありません。

鼻血が出たら、慌てずに指で5分間、鼻をつまんでください。

その際、鼻に詰め物をしたり、上を向いたりする必要はありません。つまむ位置は上の硬い部分ではなく、柔らかい小鼻のところです。鼻の中心の粘膜を、両脇から圧迫するようにします。正しく圧迫できていれば、それ以上の出血はありませんので、のどに流れ落ちることもありません。

止血後、2~3日は出来るだけ鼻をかんだり、こすったりしないようにします。顔を洗う際も鼻の周りはそっと洗うようにしましょう。

数日以内に再出血した場合、多くが傷が治りきっていないうちに触ってしまっています。その時点で「振り出し」に戻ったと思ってください。それでも繰り返す場合は耳鼻科を受診し、粘膜の処置をすれば繰り返しは少なくなります。

Q 耳掃除って必要ですか?
A
耳あかは、耳の穴の皮膚の古くなった角質と、耳垢腺という分泌腺から出る分泌物が混ざったものです。遺伝的に「カサカサ」タイプと「ベタベタ」タイプの人がいますが、日本人は80%以上が「カサカサ」タイプといわれています。(欧米人は90%以上が「ベタベタ」タイプ)
外耳道の皮膚は鼓膜がある内側から外側へ移動するようにできているので、通常耳の奥に耳あかがたまることはありません。

外耳道の皮膚は鼓膜がある内側から外側へ移動するようにできているので、通常耳の奥に耳あかがたまることはありません。外側へ運ばれてきた耳あかは、多くの場合自然に出ていきます。ですから「耳掃除」をしなくても耳あかが詰まることは殆どありません。 「普段からよく耳掃除をします」という方に限って耳あかを奥の方に押し込んでしまい、「取れなくなった」「耳あかが詰まった」といって耳鼻科を受診することが多いようです。 但し「ベタベタ」タイプの耳あかの中には自然排泄されずに塊となってしまい、耳鼻科での定期的なお掃除が必要な場合もあります。 それでも「耳掃除は気持ちがいい」「耳掃除をしたい」という方は、お風呂あがりなどに綿棒で耳の穴の入り口付近だけ、軽くふき取るようにして下さい。強くこすったり、奥まで綿棒を突っ込んだりはしないでください。また耳の中が乾いた状態で耳掃除をすると、傷つけたり耳あかを奥に落としたりしやすいので、注意が必要です。

Q 保育園(幼稚園)に通っているので、お昼の薬を飲ませることができません。
朝夕で処方してもらえますか?
A
お薬にはそれぞれ特性があって、吸収や排泄のされ方によって最適な飲み方が異なります。

お子様によく処方される鼻炎薬や抗生物質には、通常1日3回服用するものが多くあります。お昼に飲むことができない場合、例えば朝8時に登園、17時に帰宅、21時頃就寝という生活パターンであれば、朝、帰宅後、就寝前の3回に分けて内服してください。帰宅から就寝まで3時間以上あるのであれば、この飲み方の方が朝夕2回にするよりも効果的です。必ずしも「食後」にこだわらなくても大丈夫です。