健やかな聴覚を目指して難聴・補聴器専門外来と補聴器による聴覚リハビリテーションについて
2025年 高齢化率 30%を超える
治療介入が必要な難聴者2024年 900万人2030年 1400万人
難聴は生活の質を低下させるだけでなく、認知機能の低下や社会的孤立・うつ症状への関連性も指摘されています。
健康長寿を目指すためには対応が必要です
補聴器の有効活用には聴覚リハビリテーションが非常に大切
「残っている聴こえの力を最大限引き出す」ことを目標とします。
「脳の適応能力(可塑性)を活用し、十分な音を入力することによって聴覚を改善させていく」という考え方です。
聴覚障害の克服には難聴に対する理解とリハビリテーションが必要不可欠。聴力低下の原因や程度は個人個人異なるため、対応法も異なる。個人個人の病態に適した対応を実践していく必要がある。補聴器はその対応法の一つで、活用法にも「コツ」があります。⇒当院では、聴覚リハビリテーションの方法として、「宇都宮方式」を実践していきます。
鼓膜の振動を内耳にうまく伝えられない ⇒ ボリュームが小さい状態
振動を神経の信号にうまく変換できない ⇒ 脳に正しい音の情報が届いていない
聞こえのセンサーが壊れていない状態 手術で改善の余地がある(慢性中耳炎など) 補聴器が非常に有効である 稀に手術が必要な状態(真珠腫性中耳炎)が隠れているので注意が必要
聞こえのセンサーが壊れてしまっている状態。(改善困難)) 内耳有毛細胞の傷害の度合いによって、補聴器の効果に個人差が大きい。) 軽度~中等度の聴力障害の場合は補聴器で対応可能) 高度聴力障害がある場合は公的補助あり。(身体障害者認定、人工内耳手術)
この「内耳有毛細胞の傷害の度合い」、言い換えれば、実生活上の「聞こえの質」を評価する必要がある
⇒ 「語音聴力検査」を受けて、対応法を検討しましょう。
難聴や耳鳴といった「聴覚障害による生活の質の低下」を、「年齢のせい」と諦めていませんか?視力が低下すれば眼鏡を使用するが、補聴器は敬遠されがち
それは、補聴器に対する印象が悪いこと、正しい知識が不足していることが誘因であると考えます。
「始なきゃいけないもの」ではない。しかし、健康長寿を目指すなら聴こえに関して、生活上困るようになってきたら始め時
具体的には(加齢性変化による難聴で、良くある訴え)
など
視力が落ちたら不便だから眼鏡をかける眼鏡をかけなさいといわれる前に、自発的に使いますよね?補聴器も眼鏡のように生活に密接に関わる便利な道具と認識されることが理想ですしかし、眼鏡と決定的に違う部分があります!
初回装用時、うるさく不快に感じてしまうことが非常に多い。2~3ヶ月の調整とリハビリテーションが必要!!今までの静かな環境に脳が慣れてしまっているため、補聴器を付けると聞こえていなかった環境音や不快な音も一気に入ってくるので、不快に感じてしまう。⇒ 目標値の70%から補聴を開始し、徐々に入力を豊富に調整していく必要がある
1 格好悪い
「年寄りと思われたくない。」「まだ使わなくても何とか大丈夫。」社会全体として補聴器が有益なものと認知されていない(眼鏡との決定的な違い)
2 高い
何十万もかかると思っている。 ⇒ 「高い補聴器が良い補聴器」ではありません! 高い補聴器でも、適切な調整とリハビリをしないと箪笥の肥やしになります、、、。 約10万円の補聴器でも適切な調整とリハビリにより生活上なくてはならない補聴器になります。
3 効果がなかった。(家族や友人から効果がないと聞いた)
調整の不備や補聴器に対する理解不足が原因であるケースもあります。 聞こえの細胞のダメージは人それぞれです。(語音聴力検査を受け、自分の聴力を理解しましょう)
補聴器はオーダーメイドであり、調整が重要です!!⇒ 新聞・広告で補聴器(安価の物はおそらく集音器です)を買わないでください!!
「あきらめ」、その反対に「過剰な期待」を持つ前に、調べましょう!!⇒ つまり、自分の耳の状態を知ることが聴覚改善の第一歩 聴力検査、語音聴力検査、側頭骨CT検査など必要な検査を受けましょう
について検討し、対応します。
⇒ 難聴者にとって、そして調整する側としても根気のいる作業ですが、適切な調整と聴覚リハビリテーションにより聴覚改善が見込めます。
(株)マキチエ 冊子より引用
1 難聴・聴覚障害は生活の質の低下につながる
健康寿命の延長には難聴・聴覚障害の克服が必要です
2 難聴者に対する支援を有効に活用しましょう
2025年4月、町田市にも高齢者補聴器購入費助成制度が導入されました
3 難聴・聴覚障害の原因を知り、個人個人に適切な対処法を実践することが重要
4 補聴器の適切な調整と根気強い聴覚リハビリテーションにより聴覚改善が見込めます
(新聞広告や、通販での安易な購入は控えましょう)
自分の聴こえの状態を正確に知った上で、適切な対応をしていくことが、聴覚障害の改善につながります。 難聴・聴覚障害を克服して、健康長寿を目指しましょう!!