先月のブログの続きです。コロナは「第8波」(感覚的には「7.5波」くらい)が訪れていますが、今のとことインフルエンザの同時流行にはなっていません。一部報道ではインフルエンザは年明けに流行するだろうとの予想が出ています。

昨日のニュースで、コロナ・インフル同時検出キットのOTC化(ドラッグストアでの販売)が早ければ12月上旬にも開始されると伝えられました。先月のブログで要望していたことが実現しそうですが、この制度変更には賛否両論あるようです。

コロナの抗原検査でも自宅での検査は陰性で、それでも調子が悪いため受診して再検査したところ陽性と診断されるケースが毎日のようにあります。インフルエンザでも同じことが起こると思います。症状があるにもかかわらず検査結果が「陰性」だとモヤモヤしますよね。

私が考える理想像は、コロナでもインフルエンザでも流行期に発熱や咽頭痛等の症状が出た(特に家庭内に陽性者がいる)場合、必ずしも確定診断(検査で陽性を確認)をする必要はなく、常備薬(解熱鎮痛薬等)を使いながら症状が回復するまで自宅療養することが当たり前の世の中になることです。また医療逼迫を抑制するため、病院を受診するのは高齢者や症状が重い方に限定するのが望ましいと考えます。

とは言え、「会社(学校)に提出するための証明が必要」というご意見があることも理解できます。「コロナ・インフル同時検出キット」が販売されましたら、各ご家庭でキットを解熱鎮痛剤と共に常備していただき、必要に応じて自宅で検査を行って陽性であった場合は従来の「カゼ」と同じようにまずは自宅で対応していただきたいと思います。(病院で抗インフルエンザ薬を処方されることもありますが、普段健康な現役世代には必要ないと考えます)

従来の対応と変えていただきたいことは、「カゼくらいで仕事を休むのは申し訳ない」という感覚をなくすことです。この感覚はここ数年で大分変化したように感じますが、まだまだ「陽性証明」を求める風潮も強いようです。現在のコロナ感染者は比較的軽症の方が多く、感染後の心配は少ないものの、「感染力」が非常に強いのが特徴です。少しでも調子が悪い時は「他人にうつさない行動」をとることを心掛けてください。

現在も「コロナ流行期」ですが、私は屋外ではマスクを外すようにしています。ワクチン接種である程度抗体ができているので、日常的に少しずつウイルスを浴びることで「ブースター効果」による免疫増強を期待しています。海外ではマスクなしの生活が当たり前になってきたように、日本でも健康な方がマスクなしで生活できる日を待ち望んでいます。

稲垣耳鼻咽喉科医院