昨日、富山大学小児科の種市尋宙先生の講演を拝聴しました。

富山市では医療の専門家と教育委員会が強いタッグを組み、お互いの信頼関係のもとにコロナ禍による学校行事等への影響を最小限に抑える努力をされていました。

学校教育における行事や毎日の給食などは、子どもたちにとってとても重要な役割を持っています。これら全てを「コロナが怖いから」という理由で中止あるいはかなりの制限を加えて行うことは、子どもたちに見えざるストレスを加えています。実際にコロナで命を奪われた子どもは「ゼロ」であるにもかかわらず、子どもの自殺者は増えています。

「ゼロリスク」を求めることは不可能ですが、いざというときに責任を誰が取るのか、万が一クラスターが発生した場合に必要な医療対応をどこが引き受けるのか。

種市先生は自ら責任を持つと断言され、それに対して教育委員会も責任を持つ覚悟で子どもたちのために運動会や合唱コンクールなどを「マスクなし」で実行されました。

また学校で使用する共用物等の消毒は不要で、各自の手洗いを徹底するというご発言も印象的でした。

コロナ禍が続く中、子どもたちにとって何が本当のリスクなのか、本質を見極めて対応することの大切さを学びました。

勿論地域の感染状況によって対応は異なると思いますが、私達医療者、教育関係者、保護者達の意識改革も子どもたちにとって重要であると感じました。

稲垣耳鼻咽喉科医院