アレルギー性鼻炎の手術療法

アレルギー性鼻炎・花粉症に対する手術療法について

1. 手術療法の位置づけ

アレルギー性鼻炎の治療にはガイドラインが作成されており、これが一般的となっています。ガイドラインによると、抗原の回避(マスクの着用や室内の清掃)は原則行うとして、最も一般的な治療は薬物療法(内服薬や点鼻薬)です。様々な薬剤が発売されており、多くの患者さんは薬物療法のみで症状を抑えることができます。しかし重症例では十分な効果が得られないこともしばしばあります。

薬物療法以外の治療法として、手術療法があります。手術療法にはいくつかの方法がありますが、鼻づまりの強い人に対して、鼻の粘膜を切除または処理し、アレルギー反応を起こしにくくするのが基本です。代表的な治療法は、下鼻甲介粘膜切除術(効果高く長持ち、要入院)、レーザー手術(効果2-3年、機材が高価、入院不要)、トリクロール酢酸塗付法ですが、それぞれに長所、短所があります。

2. トリクロール酢酸塗付法について

当院で行っているトリクロール酢酸塗付法について説明します。この方法は外来で比較的簡単に行える治療法です。まず鼻の中を20分程麻酔し、トリクロール酢酸を湿らせた綿棒で粘膜表面をなぞるようにして塗布することで酸が化学反応を起こし、鼻粘膜表面の受容体を破壊します。実際の施術時間は5分程度です。術後1~2週間は粘調な鼻汁が出たり、鼻汁が中で固まって鼻が詰まったりすることがありますが、徐々に改善してきます。術後2週間の間に1~2回、術後処置のために受診していただく必要があります。

効果の持続期間には個人差がありますが、概ね1~2年程度で粘膜が再生し、効果が薄れてきます。術後の経過により、再手術が必要になることがあります。ただし、鼻中隔弯曲(鼻の内部構造が曲がっている)の強い方には実施できない場合があります。また効果が不十分なときは薬物療法を並行して行うこともありますが、術前に比べて薬の量を減らすことができます。

手術は予約なしで受けられます。施術時間は麻酔を含めて30分程度、費用は1回6,000円程度(保険診療3割負担の場合)必要ですが、術前に比べて普段の薬剤費を抑えることができます。

3. 最後に

最終的な治療方針の決定は患者さん本人の自由意志によりますが、特に重症の鼻閉症状がある方にはお勧めの治療法です。スギ花粉症の方は、シーズン前(1月末頃まで)の実施をお勧めします。

その他ご質問などございましたらお気軽にお申し出下さい。

稲垣耳鼻咽喉科医院(042-722-3115)

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