インフルエンザのジレンマ

2019-01-28

1月中旬以降、インフルエンザが大流行しています。

町田市内でも多くの学校や保育園で学級閉鎖になっている模様です。

最近診療中に「職場(学校)でインフルエンザの検査をしてくるように言われました」とお話される方がいらっしゃいます。

保険診療を行う以上、検査の要不要の判断はこちらにお任せいただきたいというのが本音です。

もし「どうしても検査を...」ということであれば、指示した会社の負担で自費でお願いしたいところです。

医療費の高騰が社会問題になっていますので、無駄な保険診療は控えなければなりません。

とは言え、この時期にインフルエンザの疑いがある方に検査を行わないと、社会が許してくれない風潮になってしまっています。

我々医療者はインフルエンザもカゼの一種であり、感染力はある程度強いものの、乳幼児や高齢者以外の普段健康な方の場合は特別な治療は不要であり、十分な休養で自然治癒する病気と考えています。

世界中の抗インフルエンザ薬の約8割が日本で消費されているとも言われ(インフルエンザが日本特有の病気という訳ではありません)、諸外国と比較して異常であると言わざるを得ません。

そのようなことをわかったうえで、今日も何人かの方(幼児中心でしたが)に抗インフルエンザ薬を処方してしまいました。

理由を丁寧に説明して「検査しない」「処方しない」ということも出来なくはありませんが、その労力や時間とその後の風評被害の方がハイリスクと、ついつい考えてしまいます。

つい先日も、37度程度の微熱があってのどの痛みはあるものの倦怠感等インフルエンザ特有の「辛い」症状の訴えがなかった患者さんにインフルエンザ検査を行わなかった(本人も検査を求める様子はなかった)ところ、同じ日の午後にインフルエンザの検査を希望して他の内科を受診し、インフルエンザと診断されたとお叱りの電話を頂いてしまいました。心の中では「症状が辛くなければ自然治癒できるのに・・・」と思いつつも、やはり「インフルエンザは特別」という一般の方の考え方を理解して診療を行わなければ、というふうに反省しました。個人的にはインフルエンザ診断キットをドラッグストアで購入できるようにして、希望者は保険ではなく自費でで検査できるようになれば良いと思っています。

インフルエンザの診療には日々ジレンマを感じています。

多くの方にとってインフルエンザが特別ではなく、またインフルエンザを疑うような体調不良があれば仕事を休むことをお互いに理解しあえる社会になることを望んでいます。

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